体外受精の培養液

歴史

体外受精の培養液の歴史は比較的新しいもので、20世紀初頭に始まりました。以下に、体外受精の培養液の歴史を簡単にまとめてみました。

  1. 1930年代:最初の培養液が開発される。この培養液は、ウサギやヒヨコなどの受精卵の発育に成功した。
  2. 1950年代:哺乳動物の受精卵の培養液が開発される。マウスの受精卵の発育に成功した。
  3. 1970年代:最初の体外受精に成功する。この時期の培養液は、哺乳動物の受精卵を発育させるために必要な成分についてより詳細な研究が進んでいた。
  4. 1980年代:体外受精が広く一般に知られるようになり、多くの人々に希望を与えるようになる。この時期には、培養液の成分に関する研究が進み、より高度な培養液が開発された。
  5. HTF(Human Tubal Fluid)は、体外受精の培養液の一種で、ヒト卵管液をベースとした培養液です。HTFは、1992年に開発され、当時の主流であったクラシックメディアに比べて、より自然な環境を提供することができるとして、注目されました。その後、HTFの改良版であるG1.2およびG2.2が開発され、さらに高度な培養液が実現されました。G1.2およびG2.2は、より正確な成分濃度調整が可能であり、受精卵の発育率が向上するとされています。

近年の培養液

近年では、より高度な培養液の開発が進んでいます。例えば、

  • G-CSFなどの発育因子を含有した培養液
  • 卵管内液を多成分解析した培養液
  • 低乳酸培養液

などがあります。どの培養液が良いかは患者さんによっても違いますし、施設の設備・環境でも異なります。どれも一昔前の培養液と比較すると、胚の発生率は向上する傾向にはありますが、その中でどの培養液を採用するかは各施設で精査するしかありません。

数か月ほど使ってみて、培養成績を比較するが一般的ですが、統計の出し方を知らない培養士は多く、感覚的に培養液を選択している施設もあります。

もし、どんな培養液を使っているか気になった場合は、気軽に胚培養士に声をかけてみてください。

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