男性不妊の検査

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男性不妊の検査にはいくつかの種類があります。一般的には、精液検査、ホルモン検査、精巣生検、精管造影検査、遺伝子検査などが行われます。

精液検査

精液検査は、男性の生殖能力を評価するための検査です。この検査では、精子の数、運動性、形態、精液の容積、粘度、PH値などが測定されます。

検査の前に、患者は一定期間の禁欲期間を指示されます。結果を良くしようと頑張って禁欲期間を長くする患者さんがいますが、精子濃度が上がる反面、運動率が低下するので、禁欲期間は2,3日としてください。

PH

通常、精液のPHは7.2〜7.8の範囲内であり、正常な酸性度を示します。しかし、PHが異常に高いまたは低い場合は、以下のような状況が考えられます。

  1. 前立腺炎:前立腺は、精液の主要な構成要素の一つであり、前立腺炎によって炎症が引き起こされると、前立腺からの分泌物が異常な酸性度を示すことがあります。
  2. 前立腺の手術:前立腺を切除する手術を受けた男性は、精液のPHが異常な高さを示すことがあります。これは、前立腺が精液の主要な構成要素であるためです。
  3. 精管の閉塞:精管の閉塞は、精液の正常な排出を妨げるため、精液のPHが異常に高くなる可能性があります。
  4. 精液中に血液が混じっている:精液中に血液が混じると、PHが異常に低くなることがあります。
  5. 悪性腫瘍:前立腺や精巣などの男性器官に悪性腫瘍がある場合、精液のPHが異常に高くなることがあります。
精子DNAフラグメンテーション(SDF)

この検査では、精液中の精子のDNAの状態を評価するために、特殊な染色剤を用いて精子のDNAの断片化を評価します。精子DNAが断片化すると、精子の形態や運動能力に悪影響を及ぼすことがあります。また、体外受精においても低受精率や胚の発育障害の原因となります。

精子DNA断片化の一因として酸化ストレスが考えられます。そのため、同時に精液の酸化度合いを調べるTAC検査を行うこともあります。

ホルモン検査

無精子症や乏精子症などの造精機能を調べるときに行われます。

テストステロン(男性ホルモン)の量が正常かどうか、または不足している場合にはどの程度不足しているかを調べます。テストステロンは精巣の発育にも関わってるため、場合により精巣の大きさも併せて検査します。

ホルモン検査は、一般的には朝早い時間帯に行われます。これは、テストステロンの量が朝に最も高く、昼過ぎには低下するためです。

その他

その他、精巣生検や精管検査、遺伝子検査が実施されることがあります。

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